苔むすび

シノブゴケ

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シノブゴケについて

 

シノブゴケ科シノブゴケ属トヤマシノブゴケ, ヒメシノブゴケなど

学名:Thuidium sp.(T. kanedae、T. cymbifoliumなど)

分布:(平凡社 日本の野生植物より)

 

繊細に分岐した茎葉がとても美しい苔です。

都心部には少ないですが、山にいるとけっこうどこにでも生えています。

湿った時の美しさの一方、干からびるとなんとも情けない姿になってしまいますし、基本的に乾燥には弱いです。

 

横に這いながら広がっていく、匍匐性(ほふくせい)の苔です。

 

 

シノブゴケに似た苔

 

「シノブゴケ」は一種類の苔ではなく、

シノブゴケの仲間(シノブゴケ属)をひとくくりにした言葉です。

シノブゴケの名前で販売されているものの多くは、

トヤマシノブゴケかヒメシノブゴケのようですが、

ものによってはアオシノブゴケなどさらに別の種類の苔かもしれません。

 

これらを目視で見分けるのは難しいので、

一緒くたに「シノブゴケ」として扱われています。

 

いろいろ混ざっているとはいえ、これまでの経験では

テラリウム中での性質が著しく違うように感じたことはありません。

(ほとんど正確な種類を調べることもありません)

 

一般的にはトヤマシノブゴケよりもヒメシノブゴケの方が

湿った場所に生えることが多いようで、

ひょっとしたら耐乾燥性などに違いがあるのかもしれません。

 

 

シノブゴケの育て方

 

シノブゴケはどこにでも生えているような苔である割には、

育てていると比較的乾燥に弱いように感じます。

強く干からびると傷みやすいです。

とはいえ自然界では乾燥しながらしっかりと逞しく生きているので、

傷みながらも新芽を出しながら生き繋ぐ能力が高いのかもしれません。

 

日照は半日陰〜日陰。

 

水やりだけ欠かさなければ苔盆栽でも育てやすい苔です。

 

日常的な水やりの難しい庭園では使いにくいかもしれません。

ただ、庭園で自生しているシノブゴケはよく見かけるので、

しっかり定着させれば案外使える可能性もあります。

 

水分が好きな割には高湿度下で徒長が激しいため、

テラリウムで美しく育てたい場合はオープンテラリウムなど

開放度が高い容器がおすすめです。

 

 

テラリウムでのシノブゴケの育て方

 

繊細な枝分かれをするシノブゴケは

テラリウムに使用してもとても美しいです。

また、細かな構造のシノブゴケを混ぜることで

テラリウムの景観をより自然に見せたり、

複雑みをださせることができます。

 

ただ、一方でかなり徒長しやすい傾向があるので、

長期間美しく育てたければ、開放度の高い容器が必須になります。

基本的にはオープンテラリウム、または

通気が強めのセミオープンテラリウム

がおすすめです。

 

ただし、オープンテラリウムでは乾燥の激しい環境で

葉先が傷みやすいこともあり、

完璧に育てるのが案外難しい苔でもあります。

(多少の傷みや徒長を許容すれば、難しい苔ではありません。)

 

左がオープンテラリウムでマット常に生育した様子

右がクローズドテラリウムで徒長した様子

 

 

シノブゴケの植え付け

 

這うタイプの苔は、大きく二つの植え付け方があります。

 

一つは、長く伸びた茎を数cmの断片にし、断片化したものを挿していく

「刺し苔」による植え付け方。

小型のテラリウム、または緻密なテラリウムを作る際はこちらの方法で

つくるのがおすすめです。

 

もう一つは「貼り苔」による植え付け。

シート状の苔をなるべく薄くし、そのまま土に苔を貼り付けます。

大型のテラリウム、緻密さを求めないテラリウムでは

こちらの方法の方が手軽に、早く、綺麗に仕上がります。

 

ただし、苔を貼るにしても、

苔はしっかり土に固定されている方が育ちは良いのは間違いありません。

乾燥した苔は動きやすく、屋外では風で簡単に飛ばされてしまいます。

また、土に固定・密着されることで水分環境が改善され生育が良くなる

ということもあるようです。

 

苔むすびではただ土に乗せるだけでなく、

貼った苔をさらに苔の断片を使って土にピン留めしていく、

という方法をおすすめしています。

 

この方法を「被せ留め」と呼んでいます。

被せ留めについては下の動画で紹介しているので、

よかったら見てください。

被せ留めはシノブゴケに限らず、

シート上になっている苔であればたいていの苔に応用できます。

 

①挿し苔法

 

 

②被せ留め法

 

 

シノブゴケの生態

 

 

シノブゴケFAQ

 

Q:断片に切ったシノブゴケのどちらが茎の先端側でどちらが基部かわからなくなりました

 

匍匐性の苔の挿し苔をする場合、茎の先端、基部側を気にする必要はありません。

先端側を土に挿しても問題ありません。

そもそも匍匐性の苔の挿し苔は「苔の仕込み」と考えています。

茎の上下に関わらず、茎の断片を土に挿しておけば、

わきから新芽が出てきます。

この新芽を育ててあげればよいと考えてください。

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