苔むすび

水やりのポイント

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意外と悩ましい苔テラリウムの水やり

 

フタのついている苔テラリムは、外に水が逃げにくいため、頻繁に水やりをする必要がありません。

 

ですが、意外と水やりをどの程度していいのか、悩む方も多いと思います。

 

実際、苔テラリウムの水やりは3日に一度と書いてあったり、1年間あげなくてもよいと言われたり、情報源によっても様々です。

 

では実際はどうなのでしょうか?

 

詳しく書いていきます。

 

 

容器の形によって大きく変わります

 

なぜ、そんないろいろなことが書かれているかというと、簡単にいうと、容器によって水の逃げ方が全く違うからです。

 

例えばこんな容器。(これに苔が植えられていると思ってください)

 

 

フタはすりガラスのため、完全に密閉されています。

 

密閉されていれば水が瓶の中から全く逃げないので、たとえ

 

1年間水をやらなくてもOK、

 

ということになります。

 

逆に水をやってしまうと、徐々に瓶の中に水分がたまっていくことになります。

 

同じ密閉容器に見えてもたとえばこの容器はちょっと違います。

 

 

こちら苔むすびのオリジナルの容器ですが、基本的に密閉されているクローズドタイプであるものの、ガラス同士の本体とフタの間にはどうしても微妙な隙間ができるため、そこからある程度湿度が逃げるのです。

 

こういったタイプは2〜3週間に一度程度、霧吹きで水をあげる

 

としています。

 

さらに、苔むすびで積極的に取り入れている、下のようなセミオープンタイプ

 

フタと本体の間に2〜10mmほどの隙間を意図的に作っているものですが、フタの閉まる上の二例に比べれば、当然、水分の逃げる量はかなり多くなります。

 

1週間に一度程度、水差しで水をあげる

 

ところからスタートしてみるとよいでしょう。

 

 

このように、容器のちょっとした違いで、水の逃げ方がちがいます。

 

フタがついていない容器は?

 

コルク栓の容器は?

 

横が開けてるものは?

 

などなど、これを言い出すとキリがないです。

 

 

水やりの目安はあくまで目安です

 

といった感じで、「水やりの目安」を書きましたが、実際にはこれ、あまり意味がありません。

 

ただ、全く目安がないと、説明しようがないので、一応そう説明しているだけであって、あくまで目安。

 

その通りやれば水の量がぴったりになるなんてことはありえないのです。

 

テラリウムの中の水分は様々な要因の影響を受けます。

 

・容器の構造(形・サイズ・材質など)

・環境(外の温度・湿度・風速など)

・水やりの頻度

・水やりの量(一度に何cc入れるか)

・フタを開ける頻度・時間

 

もうあげたらキリがありません。

こんな要素を全部考えるなんて絶対無理!ですよね。

 

つまり、

 

「何週間に一度、霧吹きをナンプッシュすればよい?」

 

なんて一概に言うのは無理なのです。

 

提供する側としても、苦肉の策として、

 

「平均的な条件だと、これくらいになるだろう」と答えているにすぎない

 

と思ってください。

 

ですので、「こうすれば間違いない」とは思わないよう注意です。

 

 

実際には土の様子をみて判断します

 

では、どうするかというと、土の状態をみて判断するのがよいかと思います。

 

なんだか難しそうに聞こえるかもしれませんが、そんな難しい話ではありません。

 

まずは、

 

「びしょびしょ過ぎず、干からびていなければOK、です」

 

以下の写真は全て苔むすびの専用土ですので参考にしてください。

※他の土ではもちろん見え方が変わってきますので注意。

 

左から①②③④としますね。右にいくにつれ、乾いた状態です。

 

①:土の粒子の間も水が満たされた状態

②:土の粒子の間にある程度水がある状態

③:土の粒子の間には水がなく、粒子の中に水を保持した状態

④:土の粒子からも水が抜けた状態

 

 

3つの角度から撮ったので、よーく見て、参考にしてくださいね。

 

 

 

 

①を傾けた様子

 

①は言ってみればびしょびしょ状態です。傾けると水が溜まります。ぱっと見でも水がびしょびしょしている様子が見えるかと思います。

 

これくらいびしょびしょでも大丈夫な苔もありますが、例えばホソバオキナゴケなどはおそらくだんだん黒ずんでくると思います。短時間ならよいですが、この状態が続くのは基本的に避けた方がよいでしょう。

 

逆に④は干からびています。土の色が白くなっていますよね。土も乾くにつれパラパラと粒が動きやすくなります。これはもちろん、水が少な過ぎます。

 

そんな極端な状況にならないよう、②〜③のような状態にしてあげればOKです。

 

②と③の違いがわかりにくいかもしれませんが、③は乾きかけており、乾燥の上限というところ。

 

②くらいがベストです。

 

もう一度、拡大した②と③です。

 

 

②は土の粒子がある程度ガラス面にペトっとついているように見えますが、③はガラス面についている感じはしませんね。

 

③くらいになったら、水をしっかりとあげて②の状態に戻してあげましょう。

 

②をずっとキープするように水やりできればそれでもよいです。

 

とにかく、②〜③をキープすればよいのです。

 

苔によって水たっぷりがすき、乾かしめのほうがよい、など多少個性はありますが、とりあえず多くの苔はこれで問題ないはずです。

 

苔の表情をみて、という方法もありますが、苔は意外と水加減を表情にだしてくれないことがあり、明らかに表情が出た時は手遅れ、という場合もあるので、個人的には土を見ることをお勧めします。

 

日常的に土の様子を見ていれば、乾いてる、湿ってる、はそんな難しくなく、わかるようになってくると思いますよ。

 

 

霧吹きか、水差しか

 

霧吹きで出る水の量というのは実はすごく少なく、苔の表面を濡らすくらいの量しか出ません。

ですので、土までしっかり水をやりたい時は、水差しを使うことになります。

 

クローズドタイプとセミオープンタイプについてはこちら

 

クローズドのテラリウムであれば、水は逃げにくいので、定期的にやる水は霧吹きで十分です。

 

ですが、霧吹きの量が少なく、数ヶ月すると土が乾いてくる場合もあります。この場合は水差しでしっかり土に水を補充してください。

 

霧吹きについてはこちらにも書いています↓

 

苔の水やりに便利な霧吹き

 

 

セミオープンのテラリウムは水が逃げやすいため、水差しで土をしっかり湿らせる必要があります。

 

 

定期的な水やりでも水差しを使います。霧吹きは十分な水やりにはならないので、表面を潤してあげたい時に使うくらいです。

 

かなり乾いた状態の土であれば、結構な量の水を吸うものです。参考までに動画を貼っておきます。

 

「こんなにあげるの!?」と言われますが、土が乾いている場合はそれなりにあげますし、それほど乾いていなければたいしてあげません。

 

とにかく土の湿り気を見る!のが大事です。

 

 

 

土が乾いた状態で、苔の表面のみ湿らせるのを頻繁に繰り返すのは苔にとても負担がかかるので、そういったやり方は避けてください。

 

土が乾いている状態では、いくら表面に水をやってもすぐ水が乾いてしまいます。

 

土を見てしっかり水をやりましょう!(しつこい)

 

やり過ぎた時は以下の方法で水を抜けば問題ありませんので。

 

 

水をあげすぎたら

 

水を入れ過ぎてジトジトにしてしまった場合は、

ティッシュで余分な水を染み取ってあげればOKです。

 

余程たくさんあげてしまったときは、スポイトなどがあれば早くとれます。

(普通はスポイトなんてもってないですよね)

 

ですので、やり過ぎないようビクビク水をあげる必要はありません。

 

ガバッとあげて、入れすぎたら水分を取り除けばよいのです。

 

 

“いい加減” な苔むすびの管理

 

苔むすびの容器設計の場合、説明書や口頭での説明は

 

「クローズドなら2-3週間に1度くらい、霧吹きで水やり」

 

「セミオープンなら1週間に一度くらい、水差しで水やり」

 

としています。この二つのやり方に統一するため、容器のバリエーションをあえて絞っています。

 

が、人にはそんなことを言いながら、実はお店の商品や在庫のストックは、クローズドなら2ヶ月くらい平気で水をやらないし、セミオープンでも1ヶ月くらい放っておくのも珍しくありません。

 

実際に干からびているものも結構あります。その分一度にガバッと水をあげています。

 

スタッフは最初その適当な管理を見て、衝撃を受けるのですが、苔は自然界でも干からびたり潤ったりしながら生きていますし、それくらい適当でもポイントをつかめてさえいれば大丈夫なんですよね。

 

そういう意味で苔は強いです。ですが、それはこれはちょっと上級者向けなので、まずはある程度定期的にあげるのがよいとおもいますよ。

 

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