タチゴケ
タチゴケ(ナミガタタチゴケ)について
スギゴケ科タチゴケ属ナミガタタチゴケ
学名:Atrichum undulatum
分布:北海道、本州、四国、九州、ヨーロッパ、アフリカ(平凡社 日本の野生植物より)
タチゴケの仲間には数種が含まれますが、
最も普通に見られるナミガタタチゴケを指すことが多いです。
都心の街中でも、植え込みや公園でよく見られる苔です。
ナミガタタチゴケに似た苔
コスギゴケもナミガタタチゴケと同様の環境に生えることが多く、
混生していることもあります。
サイズや雰囲気も似ていることが多いので、
見間違いやすいようです。
ナミガタタチゴケの方が透明感があり、シワが見られる点で
区別できることが多いです。
ナミガタタチゴケの育て方
日照には強くないため、半日陰〜日陰、なるべく日陰で育てる必要がありますが、
低湿度にそれほど弱い苔ではないので、
テラリウム、庭園、苔盆栽など、さまざまな育て方ができます。
一方で水切れには弱いので、土の乾燥しやすい場所では傷みやすくなります。
庭園等に移植する場合は、しっかりと土から生えている状態の苗が必要です。
土から剥がされたような状態の苔を単純に貼っても、ほとんどうまく育ちません。
スギゴケと同じく、土ごと移植する必要があります。
一方でテラリウムを作る際は土から切り出したものを挿し苔します。
盆景では土ごと移植するか、テラリウムと同様、挿し苔も可能です。
テラリウムでのナミガタタチゴケの育て方
ナミガタタチゴケはテラリウムの中でも育てやすい苔の一つです。
ちまちまと植え付けなければならないので、植え付けが少し難しいところがありますが、
育てやすくまた透明感が美しい、テラリウムにおすすめの苔です。
密閉容器では葉の色が薄くなりがちなので、
セミオープン式の容器で育ててあげると良いでしょう。
低湿度にもそれほど弱くないので、オープンタイプのテラリウムでの育成も可能です。
テラリウム内では丈が伸びがちになるので、
伸びすぎた場合は、地際から切り取り、挿し直してあげると
背丈を戻ることができます(切り戻し)。
また仮根を地中に広げ、さまざまな場所から新しい芽が生えてくるので、
望まない場所から生えてきた場合は切るか、抜くかしてあげる必要があります。
ナミガタタチゴケの植え付け
タチゴケは土に仮根をしっかり張り、土から芽を出します。
入手できるタチゴケも土が付いてくることが多いです。
テラリウムに植える際は必ずこの土を取り除いて植え付けます。
土が残っていると、カビの原因になるので注意しましょう。
土を洗い流す、というのはあまり現実的ではないので、
土から出ているタチゴケを土の際から丁寧に切り出し、
これをピンセットで植え付けます。
ちょっとずつちまちまと切り出し、
ちまちまと植え付けていくことになります。
ナミガタタチゴケの生態
半日陰〜日陰の環境に生えており、日照にはあまり強くありません。
ナミガタタチゴケはスギゴケの仲間です。
スギゴケの仲間に共通する特徴ですが、仮根を土にしっかり張り、
そのところどころからぽこぽこと新芽を出していきます。
植えたところとは全く別のところから突然芽が出てくるので、
びっくりするかもしれません。
タチゴケFAQ
Q:茶色くなってきました
タチゴケは古くなってくると茶色く老化していきます。
新しい新芽は古い苔と同じ場所でなく、少し離れた場所に生えることが多いので、
茶色い部分を置いておいても、更新されないことが多いようです。
茶色くなった苔は刈り込み、新芽が出てくるのを促しましょう。
あるいは、別のところから生えてきた新芽を移植すれば
すぐに景色を回復することができます。