苔の白絹病
苔も病気にかかります
人と同様、作物と同様、苔も病気にかかります。
病気にかかるというのは、例えばカビて、枯れたり元気をなくす、ということです。
「苔は抗菌成分を持っているのでカビにくい」という記述をたまに見ますが、
そんなことはなくて、かなりカビやすい部類の植物だと個人的には思っています。
白絹病(Southern blight)とは?
梅雨の時期に、爆発的に広がる病気に何度かやられたことがあります。うちの場合だと、屋外で湿った状態のツヤゴケから特に発生しやすいイメージがあります。
こんな感じで、すごい勢いで脱色していきます。
これはなんの病気だろう?と思っていたのですが、ちょうどそんなタイミングで、「白絹病」という病気について、日本蘚苔類学会(苔の学会)のメーリスで情報が届きました。
読んでみると、どうもこの病気のようなんですね。
正確な病名としては、「各宿主蘚苔類の白絹病(Southern blight)」と言うそうです。
この絹のような菌糸、そして、菌核という、菌の塊も、報告されているのと同じくらいのサイズです。
こちらは菌糸の写真
こちらは菌核の写真。
一応これを白絹病とします。(正確にはわかりませんが!)
白絹病の対策
ではこの苔の病気(白絹病)にはどう対策すればよいのでしょうか?
この白絹病がやっかいなのは、とにかく広がるのが早い。1日で10cmくらい広がる場合もありそうです。
菌が出たら、テラリウムの場合なら、大抵ベンレートをかければおさまるのですが、これはベンレートをかけたくらいではおさまりません。
というわけで、今のところ、見つけたら感染した苔を即隔離!するしかないようです。
(メーリスにも同じことが書いてありました)
本当に、夕方帰ってから、とか言ってると、その間に広がりますのでなるべく早く、が良いです。
私が見ている限りでは、濡れているツヤゴケ にとにかく生えやすいです。そしてそれを中心に四方八方の様々な苔を枯らせていく。逆に言うと、乾燥気味で育てているものはほとんど感染していないようです。またツヤゴケ 以外にも様々な苔への感染が報告されていました。
おそらく、あまり濡らしっぱなしではなく、ある程度乾きやすい条件の方が白絹病対策としては良さそうに感じています。(まだまだ検証足りない段階ですが)
幸い?屋外の苔には出ますが、テラリウムでは私がみる限りはあまり出たのを見たことがありません。白絹病と気づかなかっただけかもしれませんが。。
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