苔むすび

オオシッポゴケ

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オオシッポゴケ(カモジゴケ)について

 

学名:Dicranum nipponense

別名:庭園用途ではカモジゴケと呼ばれることが普通(後述)

分布:北海道〜九州、朝鮮、中国(平凡社 日本の野生植物より)

 

濃い緑色がとても美しい苔です。

密なマット状に育ったオオシッポゴケの群落は苔会でも随一の美しさと言って良いかもしれません。

石川県小松市の「苔の里」では一面のオオシッポゴケを楽しむことができますので、ぜひ足を運んでいただきたいです。

 

テラリウムの他、庭園や苔盆栽にも使いやすく、用途が広いのもオオシッポゴケの特徴です。

 

 

オオシッポゴケとカモジゴケ

 

一般に「カモジゴケ」という名前で販売されている苔の多くはオオシッポゴケのようです。

 

少しややこしい話になりますが、

シッポゴケの仲間(シッポゴケ属)にはたくさんの種類が含まれます。

紛らわしいことに、正式名称が「カモジゴケ」という苔が別にいます。

またこれも慣れていないとややこしいのですが、

シッポゴケの仲間(シッポゴケ属)には「シッポゴケ」という種類の苔がいます。

 

「カモジゴケ」の名前で販売されている苔→オオシッポゴケのことがほとんど

「シッポゴケ」の名前で販売されている苔→カモジゴケやシッポゴケ、ナミシッポゴケなどシッポゴケ属のいろいろな種類が混在している

 

という状況のようです。

 

これは苔あるあるですが、種類の区別がつきにくいですし、

山から取ってきたものを大まかに分けて販売していることがほとんどのため、

このようなかなりいい加減な状況で流通しているようです。

 

苔むすびではなるべく正式な名称で苔を扱うよう心がけているため、

「オオシッポゴケ」の名称を使うことにしています。

 

 

オオシッポゴケの植え付け

 

綺麗に植え付けるのはやや難しめで、頭が揃いにくいですが、

新芽が育てば勝手に揃ってくるので、あまり神経質にならなくていいと思います。

太ピンセットでまとめて土に植え、細ピンセットで細かい部分を整えていきましょう。

丈を高めに植えると頭を揃えて植えるのがとても難しくなるので、

植え付け時の丈は1cm程度にするのがよいかと思います。

 

 

 

オオシッポゴケの育て方

 

強い日照には強くないため、半日陰〜日陰が適しています。

 

比較的乾燥にも強く、またある程度乾燥しても見栄えがそれほど悪くならないため、

庭園用途に人気があります。比較的都市部でも育成しやすい、数少ない苔です。

 

同じ理由で、屋外で苔盆栽のような形でも育てることができます。

 

ただ、屋外栽培では白絹病の被害をやや受けやすいのと、

水捌けが悪い場所では黒ずむ傾向が比較的強いようです。

一方でテラリウム内では病気にかかりにくい苔です。

 

乾燥等で、葉の先端が傷んだ場合、切り取っても良いのですが、

目立たない新芽を切ってしまう場合があるので、

必要最低限に、色が落ちている部分をピンポイントに切ってあげた方がよいでしょう。

 

 

テラリウムでのオオシッポゴケの育て方

 

「シッポゴケ」の仲間はテラリウムと相性の悪いものが多く、

多くの場合、シッポゴケらしいふわっとした姿を長期維持することは難しいようです。

先端から傷んでいったり、新芽が正常に育たないものがよく見受けられます。

 

そんななかで、オオシッポゴケは比較的テラリウムと相性がよく、長期維持が可能です。

 

ただし、密閉すると徒長するため、容器はセミオープンタイプもしくはオープンタイプがおすすめです。

密なマット状に育てたければ、やはり通気性の高めの容器で育ててあげる方が良いでしょう。

 

 

オオシッポゴケの生態

 

基本的に常緑を保ちます。

また屋外環境では、タイミングにより茎の先端が折れやすくなるのが特徴で、

この折れた苔が広がりクローン増殖に寄与するようです。

 

 

オオシッポゴケFAQ

 

Q: 急に色の抜けた部分が広がってきました

 

屋外栽培であれば、白絹病に感染している可能性が高いです。

拡大を防ぐため、感染した苔を取り除き、その周囲の苔もある程度は一旦除いた方がよいです。

その上で、ナティーボフロアブル等を周囲にしっかりと散布すると感染拡大が抑えられるようです。

白絹病は拡大がとても早いため、気づいたら一時間でも早く対策しましょう。

 

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