カサゴケ
カサゴケについて
ハリガネゴケ科カサゴケ属オオカサゴケ
学名:Rhodobryum giganteum
分布:(平凡社 日本の野生植物より)
まさに傘のような形が独特で美しい大型の葉を持つ苔です。
英語では “rose moss” と呼ばれるようで、たしかに薔薇のようにも見えます。
苔の中では大ぶりで特徴的な形のため、
テラリウムの中に入れるとよいフォーカルポイントとなります。
カサゴケに似た苔
カサゴケの育て方
テラリウムでのカサゴケの育て方
密閉容器では、高湿度で水分が維持されるため、上に水が届かず葉が縮れてしまう、ということはありません。
短期的には綺麗な状態を保てる方法といえます。
ただ、密閉容器では季節にかかわらず新芽が伸びだし、この新芽が開かないのが普通です。
棒状に育ち、また茎は仮根が密生してきます。
健全に育てるには、やはりセミオープン式の容器で育てるのがおすすめです。
これについてはFAQにて詳しく説明します。
カサゴケの植え付け
「傘」のような形状のカサゴケですが、植え付けの際はあまり、傘の「柄」を長く出さないように植え付けた方がよいでしょう。
植え付け直後のカサゴケはあまり下から水を吸い上げる力が強くないので、背丈を高く植えない方が、水が全体に行き届きます。
柄の地上部の高さとしては2cm以下を目安にしています。
長い茎は下を切ってしまいます。茎が曲がっている場合も、植え付けが難しいので、ある程度のところで切って植えましょう。
カサゴケFAQ
Q:カサが開きません
カサゴケは季節や容器の形状により、新芽が出てくるものの、最終的にカサが開かない、という場合が多々あります。
クローズドタイプ(密閉タイプ)の容器では、カサが非常に開きにくいようです。
一方で、通気の大きい容器では、水を切らさずたっぷり与えれば傘は開きますが、徐々に乾燥で傷んでくる場合が多いようです。
苔むすびで見る限りは、手のひらサイズの容器であれば、1mmの通気をもうけたセミオープン式の容器が適当なようです。
(ただ、最適な通気スリットの幅は、容器の形状や環境のにより変わるので、あくまで参考と考えてください。)
また季節性があるようで、テラリウムにおいては、秋から冬にかけて出てくる新芽は非常に開きやすい傾向があります。
(不思議なことに、これは自然界での生態とは一致しません)
逆に春から夏にかけては、新芽が棒状に育ったたまま開かないパターンがよくみられます。
最後に、カサゴケに限らないことですが、しっかりと光を与えることで、大きな葉が展開します。