スナゴケ
エゾスナゴケ(スナゴケ)について
ギボウシゴケ科シモフリゴケ属エゾスナゴケ
学名:Niphotrichum japonicumもしくはRacomitrium japonicum
分布:日本全土、朝鮮、中国、ロシア、ベトナム(平凡社 日本の野生植物より)
エゾスナゴケのことを一般にスナゴケと呼んでいます。
「エゾ」のなの通り、北海道に生えていますが、
日本中ほとんどどこにでも生える普通種です。
ただ、都市部が苦手なようで、東京都心近郊には全く生えていません。
鎌倉にもほとんど自生していません。
日照と乾燥に強い性質を活かして、緑化・屋上緑化に利用されることがあります。
エゾスナゴケに似た苔
スナゴケの仲間にはエゾスナゴケの他に、コバノスナゴケやミヤマスナゴケなど数種類いますが、
「スナゴケ」といえばエゾスナゴケであることが普通です。
エゾスナゴケの育て方
日向の苦手なものの多い苔の中ではトップレベルに日向に強い苔です。
「日向に強い苔が必要」と言われれば、だいたいスナゴケかスギゴケの二択になります。
(スナゴケは乾燥気味を好み、スギゴケは湿潤を好みます。)
このため、直射日光が射す場所に苔を使いたい、という場合に大活躍する苔です。
日向に置く盆栽に苔を生やしたい場合も、使いやすい苔だと思います。
もちろん、苔盆栽にも最適ですが、綺麗に植え付けるのにはテクニックが必要でしょう。
庭園にしても、盆栽にしても、常に湿った状態にするのは良くありません。
常に水気のあるような場所では黒ずみ衰退して行きやすいため、
適度に乾く環境で育てましょう。
一方でテラリウムで育てる場合、光量不足や湿った状態が長くなりやすいため、
こういった点に注意して育てる必要があります。
テラリウムでのエゾスナゴケの育て方
エゾスナゴケは強い太陽光が必要なため、必然的にオープンテラリウム以外で育てるのが困難です。
というのも、蓋つきのテラリウムに日光を当てると内部が蒸れてしまうため、
これが原因で死んでしまいます。
蒸れを起こさせないためにも、蓋なし、特に容器の高さが低く、通気のよいオープンテラリウムで育ててください。
蓋つきテラリウムに適さない二つ目の理由は、
こういったテラリウムの中では、苔が乾燥しにくく、常に湿った状態が長く続いてしまうことです。
エゾスナゴケは経験的にはある程度の乾燥をさせると育てやすく、
常に濡れたような場所では衰退して行きやすいようです。
そういった点で、蓋つきで乾燥を防ぐスタイルで育てるのが難しいと言えます。
背丈の低いオープンテラリウムで、南側窓辺で直射日光がよく当たる場所で育ててあげると
案外屋内でも育てられます。
エゾスナゴケの植え付け
乾燥に強い苔ではあるので、必ずしも土に挿す必要はなく、
貼りゴケでも問題はありません。
ただし、仮根がほとんど張らない苔なので、何らかの形でなるべく固定してあげるとよいでしょう。
エゾスナゴケの生態
湿った状態が続くのを嫌うためか、砂地やコンクリート上など水捌けのよい場所によく生えます。
エゾスナゴケの利用
エゾスナゴケは直射日光に強く、乾燥に強い性質を持つことから、屋上緑化、壁面緑化に用いられることがあります。
ただ、実際には長期の維持が難しいことが多いようです。
エゾスナゴケFAQ
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