置き場所のこと -苔と明るさの話①-
「苔は明るい場所が好き」
苔を部屋で育てる上で、 明るさを考えるのはとても大事なことです。
苔が生えている場所は「暗くてジメジメ」 というイメージが強く、
そこから誤解されることが多いようですが、
苔は暗い場所では育ちません
「意外!」という反応をよくされます。
確かに、苔は日陰に多いです。(日向にもいますけど)
ですが、苔の生える「 日陰」というのは、実はけっこう明るいのです。
部屋の中は洞窟の中のようなもの
どういうことかというと、例えば、
苔がよく生えている森の中や建物の影になっている場所と、
部屋のなかの「そこそこ明るいな」と感じる場所、 はたしてどちらが暗いでしょう?
例えばこんな場所。
4方壁に囲まれていて、いかにも暗いですよね。
ここは、部屋よりも暗いでしょうか?
実はおそらくほとんどの場合、
部屋の中の方がこの写真の場所よりも暗いです。
しかもちょっと、ではなく
かなり暗いのが普通です。
部屋の中というのは洞窟の中のようなものです。
窓から離れるほど、急激に暗くなっていきます。
洞窟に行ってみるとわかりますが、
苔といえど、狭い 洞窟の口から2メートルも進めば普通暗すぎて生えませんよね?
実際に測ってみると、
部屋の大部分は、苔の生えるような日陰の、1/10以下の明るさしかないのが普通です。
明るさは人の目の感覚ではわからない
明るさというのは、目で見てもわかりません。
おかしな話に聞こえるかもしませんが、
人間の目はものすごくハイテクなので、明るい場所では明るすぎないように、暗い場所では暗すぎないように、勝手に明るさが補正されていて、補正済みのものを認識しているのです。
ですので、
「本当は暗い部屋の中」も
感覚的には十分に明るく感じるように補正されているのです。
明るさに関していうと、感覚は全くあてにならないので
機械を使わないと残念ながら客観的な明るさはまずわからないのです。
光は植物にとっては「ご飯」と同じ
とりあえず
「部屋の大部分は苔の生えるような日陰の1/10以下の明るさしかない」
という事実だけ、しっかり認識しておきましょう。
ちなみに、そもそもなんで光が必要なのか?というと、
我々がお米を食べて生きているように、植物は光を食べて生きています。
(我々はごはんからエネルギーを得ていますが、苔は光からエネルギーを得ています。)
暗い場所に苔を置くのは、我が子にご飯をあげない「虐待」に等しいのです!
ではお部屋で苔を育てるにはどうすれば良いか?
次回に続きます。
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